【詳細解説】オーストラリアで牛肉の管理にブロックチェーンを導入
オーストラリアの運送保険会社NTIが、同国産の高級牛肉の管理にブロックチェーン技術を試験的に導入することを発表しました。
ブロックチェーン技術を導入することで、製品化された牛肉の追跡がかんたんにできるようになり、産地偽装を防ぐとともに、安全面で問題があった場合、迅速に対応することができるようになります。
オーストラリアは世界でも有数の牛肉輸出量を誇っており、また近年の中国における牛肉需要の増加もあって、輸出向け牛肉の安全や信頼を高めていくことが目的のようです。
中国ではすでにブロックチェーンを用いた牛肉の追跡が可能なステーキ店が開店、そのほか欧米の食品関連会社、韓国でも一部地域で畜産物の追跡にブロックチェーンを活用することが予定されています。
もちろん日本でも日本茶の偽装防止への活用、また2018年にはワイン生産における原料の栽培から製造、流通までの履歴の記録をブロックチェーンで行う実験が行われています。
ビットコインなど仮想通貨で使われている技術として知られているブロックチェーンですが、その技術を食の安全を確保するために活用する流れが生まれているんですね。
以下では、
- そもそもブロックチェーン技術とは何なのか
- 牛肉の追跡にブロックチェーンを使うメリット・デメリット
について解説していきます。
ブロックチェーン技術ってなに?
仮想通貨といえば、コインチェックの不正流出事件が記憶に新しいですが、そこに使用されている技術がブロックチェーンです。
不正流出したんだから全然安全じゃないじゃない…と思うかもしれませんが、そもそもこの不正流出はコインチェック側の管理の甘さが引き起こした事件です。
逆に事件発生後、不正に流出した仮想通貨の追跡の速さと正確さはブロックチェーン技術のセキュリティの高さを証明しました。
ではブロックチェーンとは、具体的にはどのような技術なのでしょう。
かんたんに言えば、
- 取引の履歴などがまとめられたデータの塊を持つ
- データの塊同士で繋がりを持った状態で保存をする
の2つの特徴を持つ技術です。
データの塊(ブロック)がチェーンのように繋がってるからブロックチェーンですね。
個々のブロックに記録されている取引履歴は誰でもチェック可能ですが、個人情報などの内容については暗号化されているため閲覧することはできません。
また一度記録されたデータは変えることができないため、匿名性がありながらも、安全性の高いシステムとして注目されています。
ブロックチェーンを牛肉の追跡に導入するメリット・デメリット
では、ブロックチェーン技術を牛肉の追跡に活用するうえでのメリットとデメリットは何でしょうか?
メリット
まずメリットは、セキュリティと利便性に分けられます。
セキュリティ
データをユーザーが分散して管理されるため、
- サーバーへの負荷でシステムダウンするリスクがない
- 低コストで運用できる
またデータを不可逆な暗号で扱っているので、
- 不正に改ざんされてもすぐ分かる
利便性
製品になにか問題が発生したとき、
- 10分程度で追跡することができる
製造関係者や購入者は、
- QRコードを読み取るだけで製品の輸送状態、産地といった情報を簡単に知ることができる
要は安心安全かつ気軽に製品の管理をすることができる、ということですね。
デメリット
その反面、デメリットもあります。
上記では、データを分散管理することでセキュリティを確保できるとお伝えしましたが、その裏返しで処理速度が遅い、リアルタイムに更新できないといった欠点があります。
といってもブロックチェーン自体、使われるようになってまだ日が浅い技術なので、今後改善されていくことでしょう。
このように牛肉の追跡にブロックチェーンを使っていくうえでは、メリットもあればデメリットもあります。
ただ総合的に見ればメリットがデメリットを上回っているため、様々な国で運用がはじめられているわけです。
Twitterでの声
次にブロックチェーン技術を牛肉の追跡システムに採用することに対する、Twitterでの反応を紹介します。
単なる食肉牛ではなく高級牛肉なので賛成。産地・生育状況だけでなく血統なども記録されるようになるであろう予感。
— ton (@ton960) 2018年12月16日
豪大手運送保険企業、高級牛肉における「食の安全」にブロックチェーンを導入 https://t.co/vN6sVccAoD @coin_postさんから
トレーサビリティはブロックチェーンの特性のひとつ。野菜や牛肉の記録をブロックチェーンにのせる試みはこれが初めてではないが、町ぐるみで厳しい生産管理をする綾町の取り組みは興味深い。
— フリーライター 山際貴子 (@yamagiwatakako) 2018年7月30日
野菜×ブロックチェーン=安心安全の証明 宮崎の挑戦:朝日新聞デジタル https://t.co/st1BNNZOnA
おお、ブロックチェーンこそ牛肉のデータ管理に相応しい技術ですね!佐賀県のお肉、美味しい物もたくさんあります。また食して頂けると嬉しいです??
— いっくん??FX雑魚?? (@isamu03121) 2018年4月8日
Twitterでは、ブロックチェーンの技術を牛肉の追跡に活用することに肯定的な意見が目立ちます。
また世界的にも様々な分野にブロックチェーンを応用していく流れにあるため、牛以外にも豚などの家畜や野菜、製造や流通に関する情報だけでなく、保管する倉庫や冷蔵庫の温度や湿度などの状態にまで広げていくべき、といった声も見られます。
まとめ
このページでは、オーストラリアの大手運送保険会社NTIが高級牛肉の追跡にブロックチェーン技術を試験的に導入したニュースについて詳しく見てきました。
ブロックチェーン技術はまだまだ課題が残っているものの、それ以上に使用することで得られるメリットが魅力的。
それだけにで世界各国から注目を集めています。
日本では仮想通貨をはじめ、食品関連、珍しいところではゲームなどの分野でも少しずつ活用されはじめてます。
しかし牛肉など食肉の管理にはまだはっきりした動きが見られない状況です。
生産者側は負担軽減になり、かつ消費者側も安心を得ることができる、そんな可能性に満ちたブロックチェーン技術がさらに発展し、日本の畜産分野でも有効に使われていくことを期待したいところです。
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