常陸牛 ニューヨーク

常陸牛をニューヨークでPR|効果や懸念点を分かりやすく解説!

 

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茨城県の大井川知事が2019年2月1日にニューヨークで常陸牛の試食会を開催することを発表しました。

 

このページでは、このニュースについて深掘りし、分かりやすく解説していきます。

 

 

 

ニューヨークでの常陸牛の試食会には知事自らも参加し、常陸牛料理が振る舞われ、現地の飲食店関係者に常陸牛の旨さ、品質などの魅力をアピールする予定。

 

販路の開拓やブランドイメージの定着を通じた常陸牛の輸出拡大、そしてニューヨークで茨城県を認知してもらい存在感を高めていく狙いがあるようです。

 

また海外における知名度向上による、日本国内での評価・価格への好影響も期待を寄せています。

 

こうした常陸牛をPRするイベントはこれがはじめてではなく、例えば2018年の10月にはサンフランシスコで商談・交流会が開かれおり、2月に予定されている試食会は、このイベントに続く流れでの開催となります。

 

サンフランシスコの商談・交流会でも、レストランや食肉の流通に携わる関係者に知事自らが空輸した常陸牛や地酒、プロによる和牛をカットする方法、食べ方などを紹介。

 

茨城県では、2019年6月にG20貿易・デジタル経済大臣会合が開催され、また東京オリンピックでは会場地にもなっており、こういったチャンスを活かすための基盤を作る狙いもあるものだと思われます。

 

このように茨城県は県をあげて常陸牛を海外に売り込むためのPRを行っています。

 

では実際にPR効果は出ているのか

 

以下では、その点について詳しく見ていこうと思います。

 

常陸牛の輸出量は急増している

 

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常陸牛の輸出量がここ4年で大きく伸びています

 

常陸牛の輸出は2014年度ベトナムからはじまり、翌年にはタイ、16年度にはアメリカまで広がっています。

 

輸出量でみると、

 

  • 15年度は1.8トン
  • 16年度は3.4トン(前年比88%増
  • 17年度は14.3トン(前年420%増

 

と順調に増加。

 

輸出額で見ても1億8900万円と、1億の大台に乗っています。

 

要因としては、日本国内の大手加工メーカーと連携したことでベトナム・タイに販売網が広がって枝肉の販売が増加したこと、また海外でのPRイベントの成果が出たことなどが挙げられます

 

茨城県は今後も引き続き現地でのイベントによるPR、カッティングなど和牛の加工技術の伝達、メニューコンテストなど食べ方の提案を行っていき、高級レストランだけでなく一般家庭や贈答品にも常陸牛を浸透させていくようです。

 

このように輸出量・輸出額ともに大きく増やしており、確実にPR効果は出ていると言えます。

 

ただ一見順風満帆のように見える常陸牛の輸出ですが、その半面懸念される問題も抱えています。

 

常陸牛輸出に関する懸念点

 

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常陸牛輸出に関する懸念点は大きく2つあります。

 

1つ目は生産頭数が減少していること。

 

常陸牛の生産頭数は、2015年度には9,789頭と2005年度から見て最高値をマークしています。

 

しかし16年度は8,710頭と11%と大きく減少、さらに17年度も8,579頭と微減しています。

 

背景には

 

  • 高齢化で生産農家が減っている
  • 仔牛の価格が高止まりしていて後継者が不足している
  • 2011年の東日本大震災以降、生産農家数が減少し続けている

 

ことなどがあります。

 

その一方で、イベントやPRの甲斐あって輸出が拡大し需要は増え、常陸牛を扱う販売店も増加し続けているため、このままこの状況が続くと供給が需要に追いつかなくなってしまう可能性も考えられます。

 

2つ目は、輸出に際しての障壁

 

牛肉の輸出にかかる関税は、重量が200トンを超えると26.4%まで上がります。

 

需要が増えて輸出量が増えてもある時点から利益が関税で圧迫されてしまうんですね。

 

その他にも日本と海外では食肉処理に関する規制が異なること、またアメリカでは牛肉と言えば分厚い赤身肉のイメージがあり、高額の割に量が少ない和牛の価値はまだまだ浸透していません。

 

このように常陸牛だけでなく和牛の輸出にはまだ乗り越えなければならない壁がいくつも残されています。

 

 

 

さて、ここまでは私の考えをお伝えしてきました。

 

では常陸牛の輸出拡大について、一般的にはどんな反応があるのでしょう。

 

以下ではSNSでの反応の一部を紹介します。

 

SNSでの反応

 

 

 

 

 

ツイッターでは常陸牛の輸出量続伸のニュースについて、ほとんどの方が好意的な意見を寄せています。

 

例えば海外で常陸牛ブランドの認知が進むことで日本国内にもその認知が波及して、常陸牛だけでなく茨城県を盛り上がりそう、この流れが牛肉以外の食物の輸出につながるといいなど、常陸牛をフックに他の分野チャンスを広げていくべきなどポジティブな受け止め方をしている方が多い感じですね。

 

一方で漫然と輸出だけしていればいいのではなく、文化や価値観の違う海外に日本の生産物を持ち込む以上、和牛に対する価値観を海外にしっかりと伝え定着させることが重要、という声も見られます。

 

常陸牛とは?

 

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定義

 

茨城県内の常陸牛指定生産者が最長飼養期間を満たし肥育した黒毛和牛のうち,東京中央卸売市場食肉市場,茨城県中央食肉公社等において,(社)日本食肉格付協会の歩留等級B以上,肉質等級4以上に格付されたものだけを「常陸牛」とし,刻印を押して販売している、茨城県の銘柄和牛です。(各種規定あり)
引用 : http://jbeef.jp/brand/view.cgi?id=32

 

常陸牛の枝肉重量、肉質・脂の質は全国でもトップクラス

 

指定農家数は約170戸と決して多くありませんが、仔牛のころから一頭一頭大切に育てています。

 

エサには大麦、小麦、とうもろこし、大豆、乾牧草、稲わらが使われ、飼育の前半は運動させることで骨格をしっかりと作り、後半は逆に運動量を制限して肥育。

 

そうして育った常陸牛は、脂と赤身のバランスの良い食肉になります。

 

また販売においては、指定店推奨店制度が採用されているため安心して購入できます。

 

まとめ

 

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ここまで茨城県がニューヨークで予定している常陸牛の試食会と、その目的や効果などについて見てきました。

 

茨城県による常陸牛のPR効果は着実に実を結んできています

 

それにより常陸牛の輸出量は増加していますが、その一方で肝心の生産者不足が懸念されます。

 

せっかく需要があるのに、供給が間に合わなくなる可能性をはらんでいるわけですね。

 

PRや販売促進ももちろん大切ですが、そもそもモノがなくては売ることはできません。

 

そのため販売促進やPRとあわせて

 

  • 後継の生産農家の育成
  • 既存の生産農家をサポート

 

も含め両輪で進めていくことが重要です。

 

 

 

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