ブランド牛の特徴|人気の13銘柄も詳しく解説してみました!
このページでは、ブランド牛の特徴を詳しく説明しています。
ブランド牛といっても日本全体で見るとたくさんの種類があります。
普段なにげなく目にしている銘柄であっても、どういう特徴のあるブランド牛かは知らない、という方も多いかと思います。
- ブランド牛にはどういう特徴があるの?
- 松阪牛、神戸牛などブランド牛個別の特徴も知りたい
といった方のお役に立てれば嬉しいです。
ブランド牛の特徴を解説!
ブランド牛には、大きく分けて
- 定義
- 育つ過程
の2つの要素から特徴が産まれます。
以下ではそれぞれが一体どういったことを意味するのか、掘り下げて説明していきます!
定義によって生まれる特徴
牛に松阪牛や神戸牛などブランド名を付けるには、
- 産地
- 品種
- 格付け
などブランド牛ごとに定められた定義を満たす必要があります。
これらの定義を満たすことで、様々な特徴が生まれるわけです。
産地から生まれる特徴
牛は寒暖差が激しく軟らかい水のある場所で育つと美味しくなると言われています。
日本には寒暖差の激しい盆地が多く存在し、また全体的には軟水の地域が多く、実際にブランド牛はそのような土地が産地となっていることが多いです。
つまりブランド牛の特徴のひとつとして、生産地には盆地が多いということが言えます。
品種から生まれる特徴
ブランドを取得する対象の牛は黒毛和種とか褐毛和種など、和牛として認められる品種でなければなりません。
といっても日本のブランド牛のうち90%以上は黒毛和種が占めています。
そのためほとんどのブランド牛は黒毛和種の特徴である、きめ細かく柔らかい肉質を引き継いでいます。
格付けから生まれる特徴
定義の中には、クリアしなければならない格付けも指定されています。
基準はブランドごとに異なり、例えば
- 仙台牛は歩留等級A・B、かつ肉質等級5のみ
- 神戸牛、近江牛は歩留等級A・B、かつ肉質等級4以上
- 松阪牛には格付けは指定されていない
など厳しいブランドから緩いブランドまで様々です。
でも全体で見ると、肉質等級の基準が高く設定されているブランドの方が多いため、霜降りを多く含むという特徴があると言えます。
育つ過程で生まれる特徴
上記でお話した定義を満たすように育てたら、同じブランド牛ならほぼ同じものができあがりそうですね。
でも生産者の育て方によっては同じブランド牛でも、違った特徴を持ったブランド牛に育ちます。
まずブランド牛肉は、
- 霜降り(サシ)がメインのもの
- 赤身がメインのもの
に分かれます。
大まかには品種や血統によって霜降りか赤身どちらかに決まり、さらに与られるエサ、育て方などにより、さらにどちらかに寄っていくイメージです。
ここで言う
- エサ
- 育て方
が育つ過程で生まれる特徴ですね。
例えば生産者によっては肥育期間を数段階に分け、餌の配合を変えて与えるビタミンAの量を制限することで、霜降りの入り方をコントロールします。
霜降りが多く入ればより柔らかくジューシーな味わいになり、格付けも高くなるので高値が付きやすくなります。
また牛の食欲を促すためビールを飲ませたり、お肉を柔らかくするためマッサージを行うといった手法をとっている生産者もいます。
このようにブランド牛には定義を満たすことで得られる特徴以外にも、生産者の育て方によって生まれる特徴もあります。
さてここまで、ブランド牛に特徴を与える要素について解説してきました。
まとめるとその要素には、
- 品種や育つ環境など定義によって生まれるもの
- エサや、育て方など、育つ過程で作られるもの
の2種類があります。
それらによってブランド牛には、味や肉質、霜降りの入り方などに違いが生まれて特徴になるわけですね。
では具体的に、個々のブランド牛にはどういった特徴があるのでしょうか。
以下ではよく名前があがる人気のブランド牛をピックアップして、その特徴を見ていこうと思います!
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ブランド牛人気13銘柄の特徴を紹介!
それでは早速、人気13銘柄のブランド牛について、その特徴を順に紹介していこうと思います。
まずはブランド牛の王様と言っていいほどの知名度を持つ、「松阪牛」から見ていきましょう!
松阪牛の特徴
定義
・黒毛和種、未経産の雌牛
・松阪牛個体識別管理システムに登録されていること
・松阪牛生産区域(旧22市町村)での肥育期間が最長・最終であること
※生後12ヶ月齢までに松阪牛生産区域に導入され、導入後の移動は生産区域内に限る。
産地
三重県
特徴
日本3大和牛の一つです。
ブランド牛を食べたことがないという方でも、名前くらいは知っている方は多いのではないでしょうか?
松阪牛の特徴は
- 旨味抜群の霜降りが適度に入っている
- 繊細でとても柔らかい肉質
- 不飽和脂肪酸の比率が高く融点の低い脂
と大きく言って3つあります。
特に脂は手の温度でもじわじわと溶けていくほど。
この脂の性質により、柔らかく、口当たりがまろやかさな食感が生まれるわけです。
とはいっても脂の質は極上でイヤな油っこさもないので、ステーキはもちろんすき焼きに焼肉にしても美味しく食べられます。
また松阪牛のなかでも特に質の良いものは、「特選松阪牛」と呼ばれます。
特選松阪牛は但馬牛の仔牛を松阪市・松阪市近郊で900日以上肥育した松阪牛のことで、なんと出荷量全体の2.5%以下しかありません!
質を高めるため育て方にもこだわられており、
- 食欲を促すためにビールを飲ませる
- 皮下脂肪を均等にするため焼酎でマッサージする
といった工夫がされています。
なんだか牛じゃないみたいなセレブな育て方をしていますね(笑)
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神戸牛(神戸ビーフ)の特徴
定義
・「兵庫県産(但馬牛)」のうち、未経産牛・去勢牛である
・歩留・肉質等級
「A」「B」4等級以上を対象にする。
・脂肪交雑
脂肪交雑のBMS値No.6以上とする。
・枝肉重量
・雌は、230kg以上から470kg以下とする。
・去勢は、260kg以上から470kg以下とする。
産地
兵庫県
特徴
日本3大和牛の一つにして、日本一厳しい認定基準で知られています。
- 柔らかくきめ細かい肉質
- 融点が低く甘みのある脂
- 口あたりの優しさ
- 豊富なイノシン酸、オレイン酸
が特徴で、噛みしめると旨味がじゅわっとにじみ出ます。
また神戸牛はエピソードも豊富。
オバマ元大統領が2009年の来日時、食べたいものとしてリクエストしたことでも有名ですね。
また元NBAバスケットボール選手のコービー・ブライアントの「コービー」の名は、彼の父親が来日時に神戸ビーフを食べ、神戸の名前の由来を聞き気に入って付けたようです。
このエピソードからも分かるように、輸出量が多く、世界的な知名度が高いのも特徴のひとつになっています。
全国的に認知が広まったのは、明治時代の開港時、訪日したイギリス人に社交場で振る舞われたのがきっかけだと言われています。
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近江牛の特徴
定義
・「近江牛」の中でも、枝肉格付がA4、B4等級以上のもの
・協議会の構成団体の会員が生産したもの
・滋賀食肉センターまたは東京都立芝浦と畜場でと畜・枝肉格付されたもの
産地
滋賀県
特徴
日本3大和牛の一つで
- きめ細かく霜降りが多い肉質
- 脂には特有のテリと粘り気
- 口溶けが抜群にいい
- 生肉には生臭さが少ない
といった特徴を持っています。
そのため、刺し身、たたき、寿司、フランス料理などによく使われます。
また400年という長い歴史を持ち、ブランド牛のパイオニアとも言われてます。
歴史が古いだけあって、近江牛にまつわる事件や真偽不明の逸話なんかも残っています。
そのうちの一つが井伊直弼が暗殺された事件、桜田門外の変にまつわる話です。
時代は江戸。
このころ生肉は食べることを禁止されていましたが、水戸藩主の徳川斉昭は近江牛が好物で滋賀県の近江は養生食(薬食い)として牛肉の味噌漬けを生産し、徳川将軍家に献上していました。
しかし井伊直弼が大老になると、牛馬の殺生を禁じ近江牛の献上ができなくなりました。
以降は斉昭がいくら要請しても無視され、それに怒った水戸浪士が直弼を暗殺した。
要は桜田門外の変の背後に食べ物の恨みがあったという話しですが、真偽は別にしてもそれほど昔から美味しい牛肉だったということが分かりますね!
但馬牛の特徴
定義
・兵庫県の県有種雄牛のみを歴代に亘り交配した但馬牛を素牛とする
・繁殖から肉牛として出荷するまで神戸肉流通推進協議会の登録会員(生産者)が本県内で飼養管理
・兵庫県内の食肉センターに出荷した生後28ヵ月令以上から60ヵ月令以下の雌牛・去勢牛
・歩留・肉質等級が「A」「B」2等級以上
・兵庫県産(但馬牛)を但馬牛、但馬ビーフ、TAJIMA BEEFと呼ぶことができる。
産地
兵庫県
特徴
小柄ですが締りがよく均整の取れたカラダで、仔牛をよく産み、子育ても上手。
優れた特性を伝える強い遺伝力を持っていることから、素牛として重宝されています。
有名どころだと神戸ビーフ、松阪牛、近江牛などのブランド牛のルーツとなっていますね。
牛肉としては
- 霜降りが入りやすい肉質
- 赤みと脂のバランスがいい
- 肉本来の深い旨味と脂肪の甘さ
という特徴があり、まさに和牛のなかの和牛というイメージがぴったり。
また鎌倉時代末期の日本の牛が描かれた「国牛十図」に載っており、当時から質がよく引き締まった体躯が評価され、食用にも適すると知られていました。
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米沢牛の特徴
定義
・米沢牛銘柄推進協議会が認定した飼育者&認定された牛舎で18ヶ月以上継続して飼育
・黒毛和種
・未経産牛(メス)または去勢牛(雄)
・米沢牛枝肉市場、東京食肉中央卸売市場に上場、または米沢市食肉センターでと畜
・公益社団法人日本食肉格付協会の格付けを受けた
・生後32ヶ月以上の3等級以上の外観、肉質、脂質が優れた枝肉
産地
山形県
特徴
日本3大和牛の一つ。
麦やふすま、とうもろこし、大豆などを配合したオリジナルの飼料を食べて育ち、
- きめ細かい霜降り
- 香りのある脂
- 肉本来のしっかりした旨味
- とろっと溶けるような食感
などの特徴があります。
また肉本来の旨味がしっかりしているので、どんな料理にも合う汎用性があります。
米沢牛が全国に広がったのは明治初期ごろだと言われています。
米沢藩主・上杉鷹山が開いた藩校、「興譲館」で教鞭をとったイギリス人教師「チャールス・ヘンリー・ダラス」が現地の牛を食べ、その美味しさにいたく気に入ったそうです。
その後教師としての任期を終えたのち、居留地の横浜に米沢の牛を持ち帰りました。
持ち帰った米沢牛を仲間に振る舞うと、とても喜ばれたため手応えを感じ、米沢の仲買人と横浜の問屋をつなげて「米沢牛」として販売。
こうして全国に広がっていきました。
前沢牛の特徴
定義
・牛の品種は黒毛和種に限る。
・牛の出生地は、全国和牛登録協会発行の子牛登記証、又はこれに準ずる証明書等により出生地が確認できるものであること。
・牛の肥育期間は、生産者が1年以上飼養した牛であって、出生から屠畜までの期間内において前沢地域の飼養期間が最長であり、かつ最終飼養地であること。
・生産者は、牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法(いわゆる「牛トレーサビリティ法」)の趣旨を遵守するとともに、素牛導入、飼養管理状況について記録し、確認できる状況であること。
・枝肉の格付基準は、社団法人日本食肉格付協会の定める肉質等級は「4」以上で、歩留等級が「A」又は「B」であること。
産地
岩手県
特徴
もともと稲作の農作業に役牛として使われていたものを品種改良して誕生したブランド牛です。
- きめ細かい霜降り
- 口のなかでとろける良質な脂
- 柔らかな舌触り
といった特徴があり、特に焼いたときに立ちのぼる香ばしいかおりは食欲をそそります。
また前沢牛誕生語も地域の生産者の間で交流が頻繁に行われ、肥育技術がぐんぐん向上。
1978年には、東京食肉市場の枝肉販売価格で日本一を獲得。
その後、1980年代に全国肉用牛枝肉共励会で名誉賞を獲得。
と、着実に実績を積み重ねて全国区のブランド牛に育っていきました。
いわて短角和牛の特徴
定義
・岩手県産の和牛肉(日本短角種に限る)の名称。
・格付基準において、肉質等級「2」以上であるもの。
・出生からと畜までの期間内において、
1.岩手県内における飼養期間が最長かつ、
2.最終飼養地が岩手県内であること。
産地
岩手県
特徴
最近は健康ブームのなか、ヘルシーな赤身肉が注目されていますね。
いわて短角和牛は、そんな赤身肉ブームを先頭で引っ張ってると言ってもいい存在です。
育て方は自然交配で冬に生まれた仔牛を、春から秋にかけて放牧するという形をとっています。
そうして育てられた肉は
- 噛むほどににじみ出る旨味たっぷりの肉汁
- 脂肪が少なくて低カロリー
- アミノ酸がたっぷり含まれていて高タンパク
- 鉄分やL-カルニチンが豊富で貧血の予防や脂肪の燃焼に効果的
と、まさに現代のニーズに合わせたかのような特徴を持っています。
また赤身特有のさっぱりした味わいなのでたくさん食べても飽きず、食べごたえもあるのでステーキにして食べるのがおすすめ。
ちなみにルーツは南部藩時代に存在していた南部牛。
もとは険しい山地を越える輸送に使われていましたが、明治時代以降に外来のショートホーン種などと交配して現在の前沢牛が生まれたました。
土佐あかうしの特徴
定義
・高知県内でしか改良されていない褐毛和種・高知系である。
産地
高知県
特徴
最近では、熟成肉※に適したブランド牛のひとつとして人気を博しています。
といっても昔は人気がなかったわけではなく、まだ牛肉に格付け制度が導入される前の昭和30年代に仔牛市場で一番の高値をつけていました。
現代のような技術や飼料がない時代だったので、単純に美味しいか美味しくないか、肉自体の潜在能力が評価されていたと言えますね。
土佐あかうしは、干し草・野草を与えて育てられ、
- 黒毛和種と短角和種の中間くらいの肉質
- 程よいサシと香りが良い赤身肉
- 融点が低く口の中で溶けるさっぱりとした脂
が特徴でです。
和牛の良いところがバランスよく組み合わさっているイメージですね。
噛むほどにしみ出る旨味、それでいてクドくない味わいなので量があっても最後まで飽きずに食べられます。
ルーツは明治時代、役牛として輸入・導入された牛にあります。
時代とともに農機具が機械化して、役牛の役割が終わり肉牛として利用されるようになると、高知県民の口に合う在来種の特徴を残し、1944年褐毛和種高知系として「土佐あかうし」が誕生しました。
※熟成肉:6週間ほど熟成庫で寝かせ、肉の旨味を引き出す。別名ドライエイジング
オリーブ牛の特徴
定義
・県内で肥育された血統明確な黒毛和種で、枝肉が(社)日本食肉格付協会制定の牛枝肉取引規格の歩留等級A、Bで肉質等級5、4等級(金ラベル)、3等級(銀ラベル)。
・上記の中で讃岐牛銘柄推進協議会が定めるオリーブ飼料を同協議会が定める給与期間・給与量で育てられた香川県産黒毛和牛。
産地
香川県
特徴
明治時代から讃岐で飼育されていた讃岐牛に、香川県特産のオリーブを与えて育てたブランド牛。
オリーブを食べて育つからオリーブ牛、分かりやすい名前ですね。
エサのオリーブはそのままでは渋みが強く、牛がうまく食べてくれなかったため、搾りったあとの果実を乾燥させて飼料化しています。
オリーブには旨味成分のオレイン酸が含まれているため、一般的な和牛より旨味が強く、カルノシン、アンセリンなど抗酸化成分も含まれています。
そんなオリーブ牛には
- 柔らかく臭みの少ない肉質
- 甘みと旨味のあるあっさりした脂
といった特徴があります。
コクがあってヘルシーだから、すきやき、しゃぶしゃぶ、ローストビーフはもちろん、サラダなど野菜を使った料理にもぴったり。
ちなみに平成26年には農林水産省主催の第2回地場もん国民大賞銀賞受賞し、現在は、シンガポールやタイにも輸出されています。
石垣牛の特徴
定義
・「石垣牛」とは、八重山郡内で生産・育成された登記書及び生産履歴証明書を有し、八重山郡内で生後おおむね20ヶ月以上肥育管理された純粋の黒毛和種の、去勢及び雌牛のことをいう。
・出荷期間は、去勢で24〜35ヶ月、雌で24〜40ヶ月の出荷範囲以内とする。
・品質表示は、日本食肉格付協会の格付を有する枝肉
特選:歩留等級(A・B)肉質等級(5等級・4等級)
銘産:歩留等級(A・B)肉質等級(3等級・2等級)
・1〜3までの条件を満たした枝肉に対し石垣牛ラベルを発行する。
・店舗販売業者においては、JAおきなわの発行する「石垣牛」ラベルで表示致します。
産地
沖縄県石垣島
特徴
2000年に開かれた沖縄サミットで振る舞われたことで有名ですね。
それ以降、知名度を上げて日本各地から出荷要請が入り始めたようです。
一年中温かい土地で育つため、ほかの黒毛和種とは違ったコクがあります。
見島牛の特徴
定義
山口県萩市見島で育てられた日本在来牛
産地
山口県見島
特徴
食肉としての年間出荷頭数は多くて20頭程度と非常にレアなブランド牛です。
黒毛和種は飼料を調整してビタミンを排除することで霜降りを作ることがありますが、見島牛は青草や牧草だけでも霜降りが作れます。
その反面、品種的に体重が増えにくく、育てるのに手間がかかります。
お肉の特徴としては
- 繊細な肉質
- 融点が低く、舌にのせると溶ける脂
- オレイン酸を含み、コレステロールを低下させるヘルシーさ
などが挙げられ、噛むほどに深い味わいが広がることから、厚めに切って食べるのがおすすめです。
見島牛は黒毛和種の原種として知られ、現代でも弥生時代から変わらない姿をしています。
というのも明治以降、日本古来の牛と外来の牛との交配が進むなか、離島の見島は手がつけられず純粋種が守られたからです。
また昭和3年に天然記念物に指定されていて、雌の仔牛は原則として島外へ持ち出せません。
島外へ持ち出せるのは、
月齢10ヶ月ほどで去勢した肥育素牛、高齢経産牛、若年不妊牛と医師に診断され見島ウシ保護・進行対策委員会に許可されたもの
に限ります。
島外に出ると天然記念物の指定から外れるため、食肉として扱うことができます。
尾崎牛の特徴
定義
宮崎県の牛肉商尾崎の牧場で育てられた牛
産地
宮崎県
特徴
地域名でなく人の名前がついた珍しいブランド牛です。
生産者が自分で管理できる範囲でしか育てないので、出荷頭数が月30頭ととても少なく、幻の牛肉とも呼ばれてます。
そんな手塩にかけて育てられた尾崎牛は、
- しっかりと熟成した融点の低いあっさりした脂
- 凝縮した旨味と香りの詰まった赤身
といった特徴を持ち、味付けは塩だけでも十分美味しくいただけます。
その実力は国内だけでなく、海外のシェフからも絶賛されるほどです。
そんな尾崎牛は肥育方法も徹底していて、
- 一般的には繁殖と肥育は違う牧場が行うが、一貫して行う
- 牛にストレスをかけない
- よく寝かせる
- 飼料はビール酵母をはじめ13品を毎日2時間かけてブレンド
- 肥育期間が32ヶ月と一般的な肥育期間より4ヶ月ほど長い
など、手間と時間をかけて育てられています。
伊賀牛の特徴
定義
伊賀市・名張市において肥育された雌の黒毛和種の未経産牛
産地
三重県
特徴
三重県といえば松阪牛。
なのでどちらかと言えばマイナーなイメージはありますが、肉好きの食通からは注目されているブランド牛です。
- 濃厚な香り
- 深い味わい
があって、肉の横綱なんて言われることもあります。
伊賀牛の歴史は古く、鎌倉時代に描かれた「国牛十図」にも記載があり、伊賀の忍者にも縁のあると言われています。
忍者は今で言うスパイみたいなものですが、任務を実行するうえで潜伏することも多く携行食や保存食は必須でした。
当時(戦国時代以降)、忍者は炊いた米を乾燥させたものや干し肉を保存食としていました。
なんと、その干し肉の原材料として使われていたのが伊賀牛だと伝えられているんですね。
歴史的にも古くから存在し、また食べられていた古賀牛が現代では高級食材として評価されているというのは、なんとも感慨深いものがあります。
こんなエピソードを聞くと「食べてみたい!」という方もいらっしゃると思いますが、残念ながら伊賀牛は基本的には地産地消で、めったにお目にかかれないレアな和牛。
どこかでお目にかかったら運命だと思って、ぜひ食べてみて下さい(笑)
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ブランド牛人気13銘柄の特徴まとめ
ブランド牛で人気のある13銘柄について、それぞれが持つ特徴を詳しくお伝えしてきました。
少し長くなってしまったので、各ブランド牛の産地とお肉の特徴を表形式にまとめておきます。
ブランド牛 | 産地 | お肉の特徴 |
---|---|---|
松阪牛 | 三重県 | 霜降り |
神戸牛 | 兵庫県 | 霜降り |
近江牛 | 滋賀県 | 霜降り |
但馬牛 | 兵庫県 | 霜降り |
米沢牛 | 山形県 | 霜降り |
前沢牛 | 岩手県 | 霜降り |
いわて短角和牛 | 岩手県 | 赤身 |
土佐あかうし | 高知県 | バランス |
オリーブ牛 | 香川県 | 霜降り |
石垣牛 | 沖縄県 | バランス |
見島牛 | 山口県 | 霜降り |
尾崎牛 | 宮崎県 | バランス |
伊賀牛 | 三重県 | バランス |
産地としては東北地方と近畿地方の県が多く、お肉の特徴としてはやはり霜降り肉が大半を占めています。
また最近の赤身肉ブームからか一部赤身のブランド牛も再評価されつつありますが、まだまだ勢いは霜降りにあるなぁ、という印象です。
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ブランド牛の特徴まとめ
このページではブランド牛の特徴について解説してきました。
まとめると、
- ブランド牛の特徴には定義、育つ過程で生まれるものがある
- 定義はブランド牛それぞれに定められている
- 育つ過程には生産者の育て方や与える餌などが含まれる
- 特徴は味、肉質、霜降りの入り方などの違いが特徴になる
- 歴史の深さ、成り立ちなどもブランド牛によってさまざま
という感じです。
こうしてみるとブランド牛は味はもちろん、その背景もとても奥深いですね。
もちろん無心で味のみを楽しむのもいいですが、お酒をお供にブランド牛ごとの特徴やエピソードに思いを馳せるというのも乙なものですよ!
当サイトでは、高品質で人気のブランド牛を安心して購入できるネット通販サイトをランキング形式で紹介しています。
- 記念日や季節の贈り物にブランド牛を贈りたい
- パーティーの目玉メニューにブランド牛を出したい
といった方はぜひ参考にしていただければと思います。