ブランド牛の違い|味や和牛、国産牛との違いも詳しく説明します!
このページではブランド牛の違いを詳しく解説しています。
- ブランド牛同士にはどんな違いがあるの?
- ブランド牛同士の味の判別はできる?
- ブランド牛と和牛ってなにが違うの?
- ブランド牛と国産牛の違いを知りたい!
というあなたの参考になれば幸いです。
ブランド牛同士にはどんな違いがある?
ブランド牛と言っても、「ブランド牛」という名前の牛が存在しているわけではありません。
例を挙げると松坂牛や飛騨牛などですが、こうしたブランド名を冠した牛の総称をブランド牛と呼んでいます。
といっても勝手に名乗れるものではななく、それぞれに定められている定義を満たさなければ名乗ることができません。
つまり、ブランド牛間の違いは定義にあるということができます。
ここで、一例として松阪牛、仙台牛、飛騨牛の定義を表で比べてみましょう。
松阪牛 | 仙台牛 | 飛騨牛 | |
---|---|---|---|
性別 | 雌のみ | 雌または雄 | 雌または雄 |
品種 | 黒毛和種 | 黒毛和種 | 黒毛和種 |
歩留・肉質等級 |
歩留:AからC |
A5またはB5 |
歩留:AからB |
肥育地 | 三重県 | 宮城県 | 岐阜県 |
備考 | 未経産のみ | ― | ― |
厳密には上記の項目以外にも定義はありますが、ここでは共通して持っている項目を抜き出しています。
品種はすべて黒毛和牛、肥育地はブランド名に使われている地域がある県で、これらの部分には違いはありません。
はっきりと違いが出てるのは、それ以外の部分。
性別、歩留・肉質等級ですね。
以下ではその2点に着目して解説していきます。
性別の違い
性別については、区別しないブランドと雌しか認めないブランドがありますね。
雌牛しか認めていないのは一般的に雌牛のお肉のほうが美味しいと言われているからだと考えられますが、雄牛も去勢をすれば雌牛の肉質に近づけることができます。
さらに雌であることが基準になっている場合、松阪牛(神戸牛、米沢牛なども)のように未経産であることが条件になっているブランドもあります。
未経産というのは、読んで時のごとく出産を経験していない牛です。
特に未経産で長期飼育された牛のお肉は
- 肉質はやわらかく、きめ細かやか
- 美しい霜降りが入る
- 旨味成分のオレイン酸がたっぷり含まれる
といった特徴があります。
反面、出産を経験した経産牛は、お肉の味がしっかりと感じられます。
味の好みは人それぞれにあるので一概には言えませんが、日本人はどちらかと言えば未経産牛の味を好む傾向にあるようです。
歩留・肉質等級の違い
歩留・肉質等級には違いがはっきりと浮き彫りになってますね。
松阪牛を見てみると等級の縛りはありませんが、反面仙台牛は最高の肉質等級しか認められていません。
等級の基準に関しては、緩いブランドから厳しいブランドまで幅が広いということが分かります。
といっても、どちらが良い/悪いということはありません。
基準が厳しければブランドの信頼度が上がり、それ自体が価値になりますし、逆に緩ければ霜降りの少ない肉から多い肉まで選択肢が増え、それもまた価値になります。
このように定義にはブランド牛間で共有している部分もあれば、大きく違う部分もあり、一括りでブランド牛と言ってもブランド間で違いは明確にあることが分かっていただけたかと思います。
さてではブランド牛を食べ比べた場合、味の違いは分かるものなのか。
次はそのことについて見ていこうと思います。
ブランド牛同士の味の違いって判別できる?
とはいっても牛ごとに品種や産地、育て方が違うんだから味も違うんじゃないの?と考える方も多いと思います。
ここでは味の差を判別するのが難しい理由を、3つのポイントに分けて説明していきます。
味の違いの判別が困難な理由1 「血統」
まずひとつ目の理由は「血統」。
ブランド牛のほとんどは黒毛和種です。
黒毛和種はどの産地でも似たような血統の牛で、麦類中心のエサで育てられています。
さらに高値で売ろうとすると格付けを上げる必要があり、特にA5ランクの肉を作ろうとすると血統の組み合わせは限られ、霜降りを作るためにはエサもカロリーの高いものになっていきます。
そのため味も似た感じになり、食べただけでは判別するのが難しくなるわけです。
味の違いの判別が困難な理由2 「育て方」
ふたつ目は「育て方」。
品種や産地が全く違うブランド牛は言うまでもなく、たとえ同じ品種・産地のブランド牛であっても、生産者によっては育て方が細部で異なっていたりします。
それが顕著にあらわれるのが、
- 飼料の原材料
- 配合率
牛をどう育てるかは生産者の思想そのもので、飼料は牛の成長に大きく関わります。
だから特にブランド牛の生産者は自分の理想とする牛を育てるために、試行錯誤しながらオリジナルの飼料を作ります。
そのため同じブランド牛であっても、生産者ごとに微妙に味の違った牛ができあがります。
だから例えば、松阪牛だから絶対にこの味!という基準が当てにならず、その分味の違いが分かりにくくなるわけです。
味の違いの判別が困難な理由3 「個体差」
最後は、牛にも「個体差」があること。
血統や育て方以外にも、それぞれの牛が持っている個体差でも違いが生まるということですね。
世の中にまったく同じものが2つないのと同じように、牛にも個性があってそれぞれがオンリーワンです。
同じ血統を持つブランド牛で同じように育てられても、必ずしも味は同じにはなるとは限らないということです。
このように、
- 血統
- 育て方
- 個体差
3つの要素が重なるため、ブランド牛同士の味を厳密に判別することは難しいと言われています。
3つのポイントから見る、ブランド牛と和牛の違い
ブランド牛と和牛の違いには大きく分けて
- 定義の違い
- 値段の違い
の2つがあります。
以下ではその2つのポイントをひとつずつ解説していきます!
ブランド牛と和牛は定義が違う
和牛とブランド牛、両者の定義を見てみると
和牛の定義は
黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種、および左記の乳牛・肉牛同士に産まれた仔
ブランド牛の定義は
産地、品種、育成方法、格付けなど独自の定義、基準を設けそれをクリアした牛
このように
- 和牛は品種のみで定義
- ブランド牛は細かな基準によって定義
されている、という違いがあります。
ブランド牛は和牛から派生したもの
ここまでだとブランド牛と和牛は別物のようですが、実はそうではありません。
というのも、日本のブランド牛はほとんどが和牛種だったりします。
つまり、そもそもブランド牛は和牛をもとにして作られているわけです。
イメージ的には、和牛というくくりの中にブランド牛が含まれている感じですね。
これだけではちょっと分かりにくいと思うので、具体例として宮崎牛の場合を見てみましょう。
宮崎牛も元々は和牛
宮崎牛の定義
- 宮崎県内で生産肥育された黒毛和牛のうち選ばれた種雄牛を父に持つ
- 日本食肉格付協会が定める格付基準の4等級以上のもの
宮崎牛になるには、このような基準を満たさなければなりません。
注目してもらいたいのは、「黒毛和牛」と記載されている部分。
ここでもう一度、和牛の定義を見てみると
和牛の定義
- 黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種、および左記の乳牛・肉牛同士に産まれた仔
品種の一つに黒毛和種が含まれていますね。
つまり宮崎牛になるためには、その前提条件として和牛である必要があるということになります。
ここでは宮崎牛を例に挙げましたが、当然ながら別のブランド牛にも同様のことが言えます。
ブランド牛と和牛は値段も結構違う
じゃあブランド牛と和牛、販売価格はどれくらい違うものなんでしょうか。
一例として、ネットで松阪牛、神戸牛、近江牛、A5黒毛和牛のサーロイン200gの値段を調べた限りでは、
- 松阪牛:16,000円
- 神戸牛:11,600円
- 近江牛:7,992円
- A5黒毛和牛:3,500円
という感じでした。
和牛よりブランド牛の方が平均して約3.8倍高くなっています。
ただいずれにしても、お肉の質や格付けなどによって価格は大きく変動します。
それでもやはり同じ条件で比較すれば、ほとんどの場合ブランド牛の方が高くなります。
このようにブランド牛と和牛の間には定義や値段の違いがあります。
しかしその一方で、ブランド牛を名乗るには和牛であることが前提となっていることが多く、そういった意味でブランド牛は和牛から派生したものとも言えます。
ブランド牛と国産牛の違いを解説!
上記で見てきた通り、ブランド牛は和牛から派生したものです。
和牛に数えられる4品種は純国産の品種なので、ブランド牛も純国産ということになります。
では、国産牛はどうなのでしょうか?
国産牛も「国産」って付くくらいだから日本産の牛っぽいし、違いはブランドが付いてるかどうかじゃないの?
と思う方もおられるかもしれません。
でも、実は両者の間には歴然とした違いがあります!
以下では、その「違い」を一つずつ解説していこうと思います。
まず定義が違う!
すでに述べましたが、ブランド牛の定義は
産地、血統、育成方法、格付けなど独自の定義、基準を設けそれをクリアした牛
です。
それに対して、国産牛の定義は
国内で育った牛のなかで、和牛を含めた肉用種、交雑種、乳用種の雄
です。
国産牛の定義とブランド牛の定義を比べると、国産牛のほうが
- 産地や品種はざっくりと指定されている
- 育成方法や格付けが定義されていない
ことが分かります。
イメージ的には国産牛が一番大きな括りで、その内側に和牛、さらにその中にブランド牛が入るという感じですね。
品種にも大きな違いが…
ブランド牛の品種はブランドごとに定義されてますが、日本三大ブランド牛をはじめ名の知れたブランド牛は、ほとんどが黒毛和種だったりします。
一方で国産牛は
- 黒毛和種
- 褐毛和種
- 日本短角種
- 無角和種
- ホルスタイン種
- ジャージー種
- 交雑種
など。
和牛の条件となる品種をはじめ、その範囲はとても広く、乳用種の牛も国産牛を名乗れます。
このように品種にもブランド牛と国産牛の間には違いがあります。
値段の違いを比較してみた!
それではブランド牛と国産牛、両者の間に値段の差はどれくらいあるのでしょう。
そこでここでは、ネットでブランド牛と国産牛のサーロイン200gの値段を調べてみました。。
- 松阪牛:16,000円
- 神戸牛:11,600円
- 近江牛:7,992円
- A5黒毛和牛:1,944円
平均して国産牛はブランド牛の83%ほど安いという結果になりました。
同じお肉なのにこんなにも差があるのか!という感じですが、育てるためにかかる
- 手間
- お金
また格付けのありなしを考えれば、当然といえば当然の違いかと思います。
国産牛は産地の基準も緩い
ブランド牛は定義にもよって認められる産地が決まってますが、日本で生まれ日本で育っているという点は共通しています。
対して国産牛は日本の飼育期間が長ければ名乗れるので、日本生まれの牛だけでなく外国生まれの牛でも名乗れます。
例えばレアなケースですが、世界的に有名なアンガス牛、シャロレー牛といった海外の牛も、国内で育ったものであれば国産牛になります。
- ブランド牛は純国産
- 国産牛は海外出身も含まれる
こう考えると違いが分かりやすいかと思います。
やっぱり味はブランド牛に敵わない
味に関しても、ブランド牛と国産牛とでは大きな違いがあります。
ブランド牛も品種によって肉質が変わりますが、現状では黒毛和種が90%以上を占めています。
そのためブランド牛には黒毛和牛の特徴である、
- 甘みの強いたっぷりの脂
- きめ細かい肉質
- とろけるような柔らかさ
を持っています。
一方で国産牛の方は、ほとんどが乳用種※となっています。
乳用種は簡単に言えば乳を絞るための牛です。
といっても雌ばかりが生まれてくるわけではなく、乳が出ない雄も生まれてきます。
その場合は去勢をして肉牛にして国産牛として扱われますが、そもそも乳用種は肉の量が少なく、肉質は赤身が中心で味も和牛と比べると劣ります。
つまり、味に関しては美味しさを求めて改良重ねてきたブランド牛が圧倒的に有利になります。
このように、味についてもブランド牛と国産牛の間には明確な違いがあります。
※乳用種:ホルスタイン種、ジャージ種、ブラウンスイス種、エアシャー種、ガーンジー種など
以上のように
- 定義
- 品種
- 値段
- 産地
- 味
と5つのポイントで比べてみると、ブランド牛と国産牛との間には大きな違いがあることがお分かりいただけたかと思います。
まとめ
このページではブランド牛の違いについて詳細に説明してきした。
かんたんにまとめると、以下のようになります。
- ブランド牛はそれぞれで定義が異なる
- ブランド牛同士の味の違いを厳密に判別するのは難しい
- 和牛は品種、ブランド牛は細かい基準で定義される
- ブランド牛と国産牛とでは定義・品種・値段・産地・味が異なる
ブランド牛とブランド牛、ブランド牛と和牛、ブランド牛と国産牛…
それぞれには違いもあれば、共通点もあります。
もちろんどれが良くて、どれが悪いという話しではありませんので、用途や好み、予算などに合わせて選んでいただければと思います。
当サイトでは、高品質で人気のブランド牛を安心して購入できるネット通販サイトをランキング形式で紹介しています。
- 記念日や季節の贈り物にブランド牛を贈りたい
- パーティーの目玉メニューにブランド牛を出したい
といった方はぜひ参考にしていただければと思います。